ワイヤーリングの仕方とフローラルテープの巻き方

ワイヤーリングには、14種類のテクニックがあります。主に、花や葉の補強、向きの変更です。添え木目的もあります。これを覚えると、フラワーアレンジメントが劇的に上達します。柔らかい花に硬い針金をあわせるのですから、最初は花が折れたり、潰れたり、ひどいときには原型を留めていない状態になることもあります。全ては慣れです。数をこなして上達しましょう。

ピアスメソッド

主にプリザーブドフラワーのバラに使うテクニックです。プリザーブドフラワーのバラには茎が1cm程しかありません。茎を作ってあげないとアレンジできないのです。そのためにワイヤーを花の根本を横から串刺しにするようにワイヤーを刺します。

ワイヤーを刺しやすいようにあらかじめ斜めに切っておきましょう。注射針のようになって、貫通しやすくなります。バラの大きさにもよりますが、#20か#22を使うことが多いですね。

ワイヤーの持ち方は下から持ち上げるようにします。ダーツをするときのようなイメージです。ワイヤーを上から持つと、ワイヤーを握り込んでしまうのでワイヤーが曲がってしまい、貫通させるのが難しくなります。下から持つのがポイントです。

貫通して、真ん中ぐらいまで来たら、両方のワイヤーを降ろします。ピッタリと茎に添わせるまで気を抜かないように。
長さを揃えるためにハサミで切ります。

ワイヤーテクニックはここまでですが、次のフローラルテープで巻くことまでが下準備です。

フローラルテープの巻き方

フローラルテープはセロファンテープと同じように内側にノリが付いていますが、セロファンテープと違うところは引っ張ると伸びるところです。横シワでが入っていて、縮んだ状態になっています。その横シワにノリがついていると思っていてください。

巻き始めは花のすぐ下で一巻きして、爪でぐっと押して仮止めします。利き手でこよりを作るようにワイヤーを転がし、利き手と反対の手でフローラルテープを引っ張りながら巻き降ろします。斜めに引っ張るようにしましょう。最後は引きちぎるようにして巻けば完成。

よく、フローラルテープを包帯を巻くようにしている人がいますが、それでは全然接着しません。引っ張って伸ばしていないからです。はじめは適当な長さに切ってから巻いてもいいですが、なれてきたら、巻のまま小指と薬指に引っ掛けて使いましょう。無駄が出ないので。

クロスメソッド(ダブルピアスメソッド)

先程は、1本のワイヤーを貫通させましたが、今度はもう1本ワイヤーを用意して90度ずらして貫通させます。大きいプリザーブドフラワーのバラのときに使います。十字のように刺すので、クロスメソッドといいます。ピアスメソッドと同じようにバラに添わせて、ワイヤーの長さを揃えるためにカットして、テーピングします。

ツイスティングメソッド

主にあじさいやかすみ草のときに使うテクニックです。あじさいもかすみ草も細かく枝分かれしているのを、ワイヤーでひとまとめにします。
あじさいの中心に#24もしくは#26の2本取りのワイヤーを通して両側を降ろし、片方のワイヤーで残り全てのものを巻きつけるようにします。

ここで大事なのは、同じところでぐるぐる巻かないことです。団子のようになってオアシスに大きな穴を開けることになりますし、あじさいの茎が潰れてしまって水が吸えなくなるからです。荒い幅で巻きましょう。

ワイヤーの足元はまとめておきましょう

ヘアピンメソッド

アイビーのヘアピンメソッド

葉の茎をしっかりさせることと、葉の向きを変えれるようにするためのテクニックです。

ワイヤー1本では長すぎるので、半分に切ります。

葉の茎を2cmくらいに切っておきます。葉の中央から少し根本よりのところに、針仕事をするように一針縫います。片方を3cm出すくらいのところで止めて、利き手と反対の親指で押さえて両側のワイヤーを茎と平行にします。長い方のワイヤーで短い方のワイヤーと茎を一緒に巻きます。
茎が巻き終わってもワイヤー同志で巻きましょう。茎から5mm下でワイヤーを切ります。

フローラルテープは、プリザーブドフラワーのときは巻きますが、生花では巻きません。葉はプリザーブドフラワーでも生花でも使います。
主にアイビーやレモンリーフで使うテクニックです。

フックメソッド

生花ではダリアによく使うでクニックです。ダリアは首が曲がっていることが多いので、まっすぐ上を向かせるためにワイヤーを中心に通します。
花の上からワイヤーを通しても、茎の下から通しても構いません。必ず抜け落ちないように先を小さく曲げてフックのようにします。茎の下からワイヤーを引き、フックが花の中に隠れるようにします。フックで引っかかるので、抜けません。

ダリアの他には ピンポンマム ジャスミン ブルースター

インソーションメソッド

茎が空洞の花によく使うテクニックです。私は、ガーベラで最もこのテクニックを使います。ガーベラは10本買うとそれぞれ色んな方向に向いていて、アレンジしにくいので、直線になるようにワイヤーを挿します。また、ガーベラはすぐに茎がヘタってしまうので、骨を足してあげるような意味もあります。

茎の下から通しても、花の中央から通しても構いません。ガーベラを短く切ってから、茎を覗いてみると空洞になっているので、ワイヤーを挿しやすいでしょう。花のすぐ下まで行けると最高です。たまに貫通しますが、その場合はワイヤーが見えなくなるまで戻してください。

長いままガーベラをアレンジするときは、花の上から、中央から血管注射のようにワイヤーを通していく方法がやりやすいと思います。

私がやりやすいと思っている方法は、ガーベラの頭を利き手と反対の手で軽く持ちます。茎の先端は机に接触してて、乗せている感じです。

ワイヤー#18の先端を利き手の親指と人差指だけで軽く持つようにし、ガーベラの中心に直角に挿します。指はワイヤーから離さず、人差し指と親指を少し(2cmくらい)上にずらしてワイヤー追加で挿します。指が花に当たったら、まだ少しずらして追加で挿すことを繰り返し、ワイヤー1本全てガーベラに入れ込みます。最後は手では入れにくいので、ハサミの先端を使って完全に見えなくなるまでワイヤーを入れます。

途中でワイヤーが飛び出てくることもあります。その場合は戻して角度を変えて挿してください。傷になったところは、フローラルテープで巻いておくとバンドエイドの代わりで応急処置になります。

茎の中にワイヤーを差し込むので、表面からは全く見えません。ある程度なら曲げる(ためる)こともできます。

セキヤリング

セキュアリングとも言うらしいです。とても曲がっている花や葉を真っ直ぐにしたり、逆に真っ直ぐの茎をを曲げる(ためる)為にします。
ガーベラの場合は、ワイヤーを花の裏から少しだけ刺し、そのまま斜めに茎に沿って降ろします。ガーベラは茎が曲がっていることが多いので真っ直ぐにするためにします。インソーションメソッドが嫌いな人は、セキヤリングで構いません。

私は、トルコギキョウの頭が大きくて茎が細いもの、さらに長くアレンジする時にセキアリングをよく使います。トルコギキョウは芯が空洞ではないのでインソーションメソッドは使えません。短く茎を切れば、ピアスメソッドの方が安定するのでそちらを使いますが、長く使いたいときはセキアリングにします。ワイヤーの長さが足りないからです。ピアスメソッドは半分に折るので、倍以上の長さが必要だからです。ワイヤーは途中で足すことはしません。結べないでしょ?(笑)

スマイラックスなどの蔓性のもののラインを作りたいときにも使いますが、そのときは、先をフックにして引っ掛けます。螺旋階段のように花の茎や蔓に沿わせることがポイントです。

ソーイングメソッド

葉で使うテクニックです。葉の縦軸に添って針仕事の運針をするように縫います。タニワタリ(昆布みたいな長い葉)に使います。縫い先は葉の裏側で終わるようにしましょう。

テーピングメソッド

ソーイングメソッドは葉が時間とともに変色してくるので、ワイヤーを葉の裏の軸に添わせてオアシステープで貼り付けるやり方です。オアシステープは緑ではあるものの、やはり存在が分かってしまうので、歯の裏側が見えにくい場合にこのテクニックを使います。葉が濡れていない状態でないとすぐに剥がれてしまうので、その点を注意すれば簡単です。ワイヤーが足りない場合は足すことも出来ます。茎の根元よりも手前で止めましょう。

クラッチメソッド

主にプリザーブドフラワーでコチョウランやデンファレのときに使うテクニックです。コチョウランもデンファレも茎が細いのでピアスメソッドをしても根本から取れてしまいます。フックメソッドは先端を1cmほど曲げますが、クラッチメソッドはワイヤーの中央で曲げるというイメージです。コチョウランは首が曲がっているので、それに合わせて先端も曲げます。#26を使うことが多いです。このときは緑ではなく白のワイヤーがより良いと思いますが、緑でNGではありません。より白のほうがいいですよ、くらいです。私は、コチョウランの茎に#20のワイヤーをインソーションして、クラッチしたワイヤーと一緒にテーピングをします。

フェザーリング

カーネーションを分割してツイスティングメソッドすることを言います。私はオランダ式なので、このテクニックを使ったことはありません。NFD(公益社団法人日本フラワーデザイナー協会)でよく使うやり方だと思います。ブーケで涙型の先端や、三日月型の先端でより細いデザインをするためにカーネーションを分割するのです。オランダ人は「日本人らしい、より繊細な表現をするね」と言っていました。

U字メソッド

ワイヤーリングでブーケを作る時に使う方法です。ワイヤーだけでブーケを作ることは少なくなりましたが、オランダ式の準国家資格では試験科目に含まれます。伝統の技術を絶やさないようにするためと、受験者のテクニックがどれくらいかはかるためです。

今はブライディーというマイクのような形をした給水スポンジにブーケを作ることが主流ですが、キャスケードという長い涙型のアレンジのときには、このU字メソッドでバラをしっかりと固定させ、抜けないようにします。

ワイヤー#18の先端2cmをフックメソッドのように曲げ、花の茎にあてます。長いワイヤーで、3回ほど巻きつけて固定します。

U字メソッド(添え木バージョン)

モンステラの葉は大きいので、垂れていることが多いです。その角度を生かしてアレンジするのですが、ときには「この角度をキープしてほしい」という時に使います。ヘアピンメソッドと似ていますが、葉にワイヤーを刺しません。ワイヤーを刺すと黒く変色してくるので、モンステラの葉を全部見せたいときに使います。

#18を半分に曲げ、モンステラの茎の先端に合わせ、片方のワイヤーで巻きつけます。U字メソッドの大型版です。U字のワイヤーの上にモンステラの葉が乗っているだけです。

インソーション&U字ダブルメソッド

先程のU字メソッドをする前に#18のワイヤーを1本、あるいは2本挿しておくテクニックです。ワイヤーだけでブライダルブーケを作る際に使います。
ワイヤーだけでブライダルブーケを作ることは最近しないので、知識だけ覚えておくといいでしょう。

生花で主に使うワイヤーテクニックは、葉のヘアピンメソッドとインソーションメソッドとセキヤリングですね。フックメソッドもたまに使います。